旭東教会・週報ミニコラム『窓』加筆版です。
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N兄のご次男様より「父がICUに緊急入院しました」という連絡を頂いた。息子さんとは面識がない。
一晩が明けて、栗原兄と妻と三人、お見舞いに出掛けることにした。
9月13日・恵老の日の夕べ、教会員のEご夫妻が手作りして下さった『病者の祈り』のカードを携えて栗原兄と共にお訪ねした所だったので、思いがけないことだった。
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病院の駐車場について、ご子息に電話を入れたところお出にならない。
ではということで、入院先の病院受付でN兄の名前を言ってお部屋を確認しようとしたところ、個人情報保護法の関係もあり、スッと進まない。
「御住所は?」と問われたりしたあと、最後には「ご家族ですねっ!」ときつい調子でただされた。
私は一瞬ひるんだ。
だが、間髪入れず、ドクターでもある91歳のK原兄が「はい」と宣言。職員の方もさすがに疑う間もなくICUへの順路が記されたペーパーを渡してくれた。
とあるご婦人の転院の時には、そんな知恵もなく退散してしまった私だったので有意義な学習となった。
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ICUの前にもインターホンがあり、「どうぞ」と言われても扉は開かずというようなこともあったが、何とか無事にご子息不在の病室に無事たどり着いた。
その後、息子さんと電話のやり取りができてわかったけれど、容態は悪いなりにも安定しているようで、横浜市の方におられるとのことだった。
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木曜夜の祈祷会、お祈りの前にお祈りの課題を確認するときに、N兄の状況と簡単な入院経緯を報告。
すると「〈神の家族〉(エフェソ書2:19)だから嘘じゃないよねぇ」との女性の声が聞こえた。
そうハッキリ言ってくれると何だかほっとするものだ。
おそらく「嘘」をついたという負い目のようなものを感じていたのだろう。
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その後、ふと思いたって「嘘」ということばを『聖句辞典』(コンコルダンス)で引いてみた。
間違いなく、『聖書』に「嘘」という文字はない。そうか、そうだったか。そうとわかると、ますます安心である。アーメンとつぶやいた私だった。
次は自信をもって「はい、家族です」といきたいものである。end