2014年12月4日(木) №169  『 増補版 最北通信 牧師室便り 32号 』

会堂の屋根補修と同時に復活したのが、十字架とスポットライト。こんなに綺麗にライトアップされるとはびっくり!
会堂の屋根補修と同時に復活したのが、十字架とスポットライト。こんなに綺麗にライトアップされるとはびっくり!

※ちゅうい・caution 

 今号、久しぶり?にだらだら長いのでご注意を。

 

日の入りの時刻が午後4時を切っている稚内のこの頃。

 

この『最北通信 牧師室便り』を書き始めた11月25日の「日の入り」は午後3時55分だった。稚内市内の青少年科学館の資料に依れば、この先冬至まで、日没時間はさほど変わらないようだ。

 

てっきり12月23日頃迄、日はどんどん短くなって、もしや日没は3時位になってしまうのだったか、と、と思い込んでいたが、そうではなかった。一安心。

 

それにしても、稚内に暮らし始めた頃、夕暮れの速さにかなりびっくりしたのだが、実は地元の方たちも同じように感じているようで、日没を話題にしての挨拶を時々耳にする。

 

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大相撲九州場所の時期が11月なのだが、かつて新潟に暮らして居たとき、高速道路のパーキングエリアでNHKの大相撲放送を見ていてありゃま、と驚いたことがあった。

 

大相撲はとうぜん生中継なのだが、たまたま、博多湾や福岡市内の様子が映されたときの明るさといったらなかったし、日本列島ってこんなに違うところがあるんだなぁと思ったものだ。

 

新潟ですらそうだったのだから、おそらく、九州場所をTVで注意深く観ようものなら、もっと驚くことが起こりそうだ。

 

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夏のおわり頃に見つけた、教会の屋根の劣化。

 

総額140万円を越える工事を行った。その代金を今の稚内教会には直ぐには準備できない。

けれどもほんとうに有り難いことに、同じ日本キリスト教団の道北地区・名寄伝道圏から無利子で100万円の借入ができたのだった。

 

教会の屋根補修工事は11月の中旬から始まり、滞りなく終了した。

 

いつもお世話になっている大工さんのNさんから「先生、スタイロフォームを使っているから」という言葉を何度か耳にしていた。

 

ところが、「スタイロフォーム」が一体どういうものか、知らないままだった。

 

教会のみんなに報告しようにも、何の手掛かりもない。大工さんがせっかく説明してくれたのに、知った顔して実は知らない。これではイカンなぁと反省。さっそく調べてみた。

 

インターネットはこういう時にほんとうに助かる。

 

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検索をしてると嬉しいことがあれこれ記されていた。

 

「スタイロフォームは、優れた断熱材・保温材として……常に日本の熱環境をリードしています」とまず最初に書かれている。

 

この度の工事、旧来の屋根を除去するのではなく、その上に、このすぐれた力を発揮する建材を貼り付け、その上に新しい鈑金の屋根を打ち付けたようだ。

 

スタイロフォームについてさらにこう紹介されている。「冬の寒さはもちろんのこと、温度を一定に保つことで、冷暖房のエネルギー消費を抑える効果がある」とある。

 

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こういう説明を素朴に信じやすいのがわたしである。

 

工事終了後の最初の日曜日。

 

雪が降り積もっている時期でもないので、思い込みかも知れないのだが……礼拝堂の冷え込みが、なにかいつもより随分おだやかに感じた。

 

わたしは鼻炎アレルギーがあって、特に、気温の変化に敏感な体質だ。

 

季節の変わり目など(先週くらいまでの約一ヶ月)、少しでも寒いなと感じと、クシャミが止まらなくなる。「センモール」という鼻炎カプセルがないと、ほんとに、朝から晩まで鼻をかみ続けることになってしまう。

 

話は戻るが、屋根の工事が終わったあとの礼拝堂。何となくだが、あたたかったのだ。暖房の設定温度も少し低めだったのにである。

 

厳冬期を迎えるこれから先の3ヶ月、スタイロフォーム様に思わず期待してしまいそうだ。

 

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もう一つ、会堂屋根補修と同時に与えられたものがある。それは、教会の上に立つ白色の十字架だ。上に写真をUP。

 

美しくお色直しされたのだが、それだけでなく、切れたままになっていたスポット照明の電球が取り替えられて復活したのだ。

 

というか、正直に申し上げると、ライトで照らすことができるなんて知らなかった。

 

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夕暮れの早い今の稚内。

 

闇夜に浮かび上がる十字架が実に見事に美しい。最初にそのことに気づいた時のわたしは、牧師館に慌ててカメラを取りにいったほど。

 

少しオーバーだが、惚れ惚れするぐらいというか、眺めているとにんまりしてしまうというか、ついつい頬がゆるんでくる。

 

利尻昆布バザーに励んで、借入金の返済に努める元気が出て来るというものだ。

 

そして何より、牧師らしく(本音でもあるが)バス通りを通りがかる方たちの目に止まって、今まで、ここに教会がある事に気づかなかった方へ、何かを届けられればやっぱり嬉しい。

 

保育園のお仕事が終わって外に出て来られた先生も気づいてくれたので可能性ありだといいなぁ、と思う。

 

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『信徒の友』の取材が終わってから、ほぼ2ヶ月近くが経った。

 

先だって、編集者からの最終原稿が「チェックをお願いします」ということでわたしの手元に届いた。それでは、ということで、取材を受け、記事に取り上げられている何人かの方にも、ケアレスミスはないか見て頂いた。

 

今回の取材、2015年1月号の「ここに教会がある」で紹介してくれるのだが、ベテラン記者の心にどのようなことが残ったのか興味深かった。

 

全国1700余りの日本キリスト教団の教会・伝道所の数からすると40年に一度程の掲載となるようだ。

 

ということは、次は2055年頃という計算だが・・・。40年後に元気でいられるのは、40代のご婦人何人かと、幼稚園の先生方くらいというのが現実だ。

 

ガンバ、稚内教会!

 

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「福音ってなんですか?インターネットで説教を聴いていると、森先生が時々口にするので教えて頂きたいと思いました」。

 

これ、求道者になって下さったら嬉しいなぁと思っていた方からの嬉しい質問だった。

 

もちろん、どこかの本に書かれているような回答もあったのだけれど、その時わたしは、次のようなことをお話した。

 

「自分の経験から言うと、仕事も健康も失い、どこにも行く場所がなくなっていた30年位前のわたしにとって、日曜日に身を置く場所があること、それだけでよかったんです。それが道を求めはじめた頃のわたしの福音でした」と。

 

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〈福音〉って何なのか。

 

実に、本質的な問い掛けだ。これこそ、〇〇信仰問答で扱われるような内容に違いない。

 

だがしかし、たくさんの方の生の声を聞きたいものだと思う。「あなたにとって、福音ってなんですか?」と。

 

そして、当たり前に使っている言葉が、初めてキリスト教に触れる方たちにどんな風に聞こえているのか、もっともっと思い巡らすことが必要なのだ、と久しぶりに思い出した。

 

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11月23日の日曜日の午後と24日・祝日の勤労感謝の日の連休。

 

稚内から車で2時間半のところにある、美深温泉を会場にして「道北地区集会」が開催された。

 

3年ぶりの地区集会だ。

 

去年は、北海教区の年頭修養会の当番が道北地区だったので行われなかった。その前の年は、何か別の理由で開催されていない。

 

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今回、稚内教会からは幼稚園の小型バス・トトロ号をお借りして5名で参加。

 

雪道で危険な場合はJRで行きましょうと相談していたが、前日までの雨で雪はとけていて助かった。

 

運転はわたしだったのだが、運転席が高めの車はなかなか快適だったし、4名のご婦人方を乗せての運転は、何かいつものマイカーの運転とは違う緊張感と楽しさがあった。

 

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休憩で立ち寄った「道の駅なかがわ」(稚内から1時間半ほどのところ)では、幼稚園バスに幼子の姿を期待した子どもたちが脇を通りがかった。

 

幼稚園のバスだと一目でわかるので、かわいらしい子どもが見えると思ったのだろうか。

しかし、この日のトトロ号の乗員平均年齢は〇〇歳位だった。ごめんねチビッコたち!

 

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様々な気付きが与えられた「道北地区集会」だったなぁと思う。

 

わたしは、近隣教会のことを互いに知り合えている豊かさをかみ締めていた。これって、ありそうでないことなのだ。大都会のみならず、隣の教会の牧師の名前を知らないということは、しばしばあるのだから。

 

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きょう、旭川豊岡教会のTさんからのひと言メッセージが届いた。

 

Tさん。地区集会の感謝を語られた後、わたしがこのブログでも触れた豊岡のバザーでの買い物について簡潔に書いて居られた。

 

一つは、佐藤さんの背広の話である。

 

「教会バザーではお買い上げ頂きありがとうございました。佐藤兄は背の高い、ナイスミドルでした。先生に着て頂いてきっと喜んでおられることと思いますよ」

 

あっ、それから、妻の手首から出てきた《プレートとビス》のことも。「びっくりしました」と。

 

このような交流ができていることが、幸せな道北地区だと心から思うし感謝だ。

 

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本格的な冬を前に、わが家では食料品の買い物を〈札幌生協の宅配サービス・トドック〉にお世話になりはじめた。 

 

地吹雪やアイスバーンを押しての買い物からの解放は、春先に牧師館前で転倒骨折したり、1年前には宗谷岬でのスリップ事故に乗り合わせていた妻にとっても安心材料だ。

 

生協は広く知られるように、牧師でキリスト教社会運動家として歩まれた賀川豊彦先生にルーツがある。

 

稚内教会の誕生のきっかけに「賀川伝道」と呼ばれる大集会があったと聞いているので、これもまた、神さまのお導きかも知れない。

 

賀川伝道は、かつて新潟県上越市と現在の妙高市(旧・新井市)の教会でも大きな影響を与えていたことを思い出す。賀川伝道というその仕方や賀川先生の働きにはさまざまな評価がある。でも、福音の出来事、そして救いのみ業が起きたのも確かなのだ。

 

それにしても、トドックさん。

 

これから先の地吹雪や豪雪の時、ほんとうに本当にお先真っ白で、配達、危険でたいへんですが、よろしくお願い申し上げます。end

 

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