久しぶりに、本当に久しぶりに、(仕事場の)牧師室の片付けができた。
あれこれ積み重なっていたものを動かしては処分を繰り返していくと、1月に旭川で行われた北海教区・年頭修養会の頃から、気がつかぬうちに忙しい人になっていたらしい。
春先の地吹雪後の圧雪路での妻の手首骨折も、どうやら微妙に影響していて、あれこれの時間がとれなくなっていたのだなぁとも思う。
*******
ある方が電話を下さった。お誕生日おめでとうございます、と。
嬉しいものだと思う。54歳になった。
妻は朝「産んでくれたお母さんに感謝しなさいよ」と言っていたが、実は、ここ数日、今は亡き家族をあれこれ思っていたところだった。
掃除をしていたら、なぜか、書斎から母が使っていた赤色のファイルが出てきたのも嬉しかった。
妻には「使ってよ」と頼んだ。
*******
母は31年前、52歳で亡くなったが、召される7年程前から、生きるか死ぬかの闘病が続いていた。
自分がもう、母が生きることができなかった50代を歩んでいるのだなぁとあらためて思ったりする。
3歳年上の姉は1999年に亡くなったから、42歳でこの世での歩みを終えて天に帰って行ったことになる。
姉には確実に無念という思いがあったと思うので、これまた、弟は、姉の分も、日々【有り難い日】として過ごさなきゃ申し訳ないではないか。
母と姉の二人が経験できなかった道を生きていられることの重みを大切にしなきゃいかんのだと思う。
*******
今朝、こんぶの関連で(思いがけず、でも、嬉しい)電話を下さった、道内のあるご婦人が笑いながら言われた。
「秋、利尻山を無事に頂上まで登ったんですが、降りて来てからが大変でしたよ。足腰ガタガタで。〈人生と同じで下り坂は大変です〉」と。
おー、そうなんだなぁ。そういうものかもなぁ、とその時は妙に腑に落ちる言葉だった。
*******
我が人生の終着地点がどの辺りにあるのかは、今の所わからない。
確かに、これからはゆっくりと降るのかも知れない。
けれど、降りつつ昇る、というのも本当かなと思う。
いやいや、これまでもそうだったように、山あり谷あり。それがこれからも続きそうだ。
*******
教会の暦が新しくなるアドヴェント・待降節が始まる。
これまでとは、少し違う心持ちの待降節にしたいなと思う。
もう私もいい歳なのだから。end