2014年8月11日(月)№153 『 「芽生え」をくれた小川君からのメール 』

小川君のことを記して居るうちに思い出したペン画集の表紙。パラパラとめくっていると、その頃の懐かしい同期生の名前のみならず、かつての連絡先もまとめて載っていた。そんな大らかな時代だった。
小川君のことを記して居るうちに思い出した、F中学校のペン画集の表紙・1976年3月に卒業したのだなぁ。パラパラとめくっていると、その頃の懐かしい同期生の名前のみならず、かつての連絡先もまとめて載っていた。そんな大らかな時代だった。

忘れていた言葉を久しぶりに聞いた。

 

いや、正確には見たのだけど。

 

「もりげん」とか「もげん」という呼び方だ。

 

これは、大分(おおいた)市内のF中学校で学んでいた頃の、わたしの呼ばれ方だ。卒業のペン画集を見ると、同じ学年に森君が3人居ることも関係しているかな。

 

不思議なもので、「もりげん、もげん」という呼び方はその時期以外は、わが人生の中でされていない。

 

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懐かしい呼び名で呼んでくれたのは、F中の同期生の小川君。彼からのメールでのことだった。

 

小川君は確か関東在住。

 

いつも、関東方面の同級生の海外への異動があったり、大分から出張で上京して来る人が居たりすると次のようなメールが届く。

 

「小川でーす。皆さんお元気ですか? 突然ですが、〇〇君が東京に来るようなので、どこどこに集まりませんか?その後は、どこどこに流れるなんてプランがあります。ご都合をお知らせ下さい」

 

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僕は今、北海道・稚内に居るよ、と伝えていなかったわたしの方に落ち度があったのだけど、これは嬉しかった。

 

それだけではない。

 

残念かつ申し訳なかったのだが、小川君は、わたしが福岡在住だと思い込んでいて、こう知らせてくれたのだった。

 

【突然ですが、今回お盆の時期、8月11日~17日に1週間ほど福岡に帰省します。もし、森さんのご都合のいいときがあれば、教会を訪問させていただければと考えております。1時間くらいお時間いただけたら、私や同級生とかの近況報告ができればと。ご都合いかがでしょうか。】

 

小川君の現在のご実家が同じ九州の大分から福岡に移っている様子で、わたしがまだ福岡の教会に在任と思って、おじゃましてもいいですかぁ、と連絡をくれたのだった。

 

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とは言え、実はわたし。小川君とはF中の3年間でクラスが一緒になることはなかった。

 

部活も多分彼は軟式テニス部(*再会を果たしてわかったが、「水泳部」が正しかった。たぶん、同期会で同じく再会した「安藤くん」と勘違いした模様。括弧を足すのだけに留めて敢えて修正はしません)。わたしはサッカー部。隣同士で大きなボールとちいさなボールを追っかけることはあっても、深くはまったく知らない人物だった。

 

だから、F中の一部の者へのメーリングリストを配信してくれる彼の心配りある通信によって人柄に触れつつ、40年前の小川君の顔を思い浮かべながら過ごしていたのだった。

 

いや、同時に、40年前のF中の同期生のことも、「あー、〇〇、女の子だけどバリバリ頑張ってるんだんぁ」などと勝手に想像しつつ過ごしていた。

 

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二人きりで話をしたこともなかったのに、小川君からのメール。何と言う嬉しい呼びかけだろう。

 

わたしも、

「どんな近況を聴けたのか、僕ら、多分同じクラスにはなったことが無かったのですが、聴いてみたかったです。どうぞ、関係の皆さんによろしく!大分では同窓会やっているのかな。オリンピックイヤーかW杯の年でしたか?」

と返信した。

 

するとこんな返信。

 

【同じクラスになったことは、正直、F中時代にはなく、直接の交流はなかったかもしれませんが、あの濃密な3年のときを同じ時空で過ごして、共通の知人があるというだけでも、特別な人であることは、お互い間違いないですよね。今回会えないのはそれも何かの偶然、きっといつか会える】と。

 

そして、こう添えてくれた。

 

【大分で4年ごとに大同窓会を開いているのはオリンピックの年。次回は東京2020のいっこまえの2016年、リオオリンピックの年です。そのときにご縁があればそれもよし。それ以前にご縁がありそうでしたら、ご連絡ください。

 

本当に、いろいろありますが、心身とも健康でいれば、何でもできる!来る再会を楽しみにしております。今日、福岡に帰省しました。明日、早速大分の旧友に会いに行きます。北の大地で暮らしているもりげんくんのことを、みなさんに伝えてきます。ではでは、おやすみなさい。小川】

 

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何とも気持ちが軽やかになるメールだった。

 

小川君が「あの濃密な3年のとき」と表現してくれたけれど、F中で過ごした3年間は、自分にとってもまさにそういう場所だった。

 

今振り返って見ると、大分市内やその他の地域から、いちおう、入学試験があってF中学校に入学してきたみんなは優秀だったと思う。

 

単に勉強ができるという人の集まりではない。

 

もしかすると様々な偶然(神の導きとも言い換え可能)が重なって居るかも知れないが、類い希な個性の仲間たちが、とっても大らかに、和気あいあいと、始まったばかりの青春を謳歌し始めていたように思う。

 

生まれて54年目を迎えているわたしたち同期生。ふるさと大分に留まっている人も、そうでない人もそれなりに多いことを知っている。

 

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中学時代から更にさかのぼれば、大分市郊外の大在地区という田舎部落の小学生としての6年間があるわたしなのだが、「濃厚な3年間」を過ごした中学時代と合わせて、故郷を思う心は、何とも人をあたたかくしてくれるものだ思う。

 

小川君はそのことを思い出させてくれた。

 

考えて見れば、小学生・中学生の頃の9年間+アルファは、今は亡きわたしの家族が、一つ屋根の下に暮らして居た時代なのだ。

 

もはや、両親も居らず、きょうだいも召され、家もなくなり、帰るべき故郷を失っているかと思っていたわたし。

 

そんなわたしに、まさかの訪問予定を告げてくれた小川君のメールは、「もりげん君」との呼びかけで、ぼくらには皆で帰ってくる場所が今もこれからもあるんだよ、という大切なことを知らせるスイッチだったのだ。

 

小川君は神さまからの「御使い」じゃないか!

 

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あなたは帰る場所を持っていますか?

 

確かこれは、わたしが、今年度の稚内北星学園大学のキリスト教概論の講義の中で、学生さん達に問いかけていた重要テーマの一つだった。

 

帰る場所を持とうよ、とわたしは語った。

 

大学生には、神さま、イエスさま、教会とは敢えて言わなかった。でも、そのことを考えながら、生きることの大切さを一緒に考え始めよう、とは伝えた。

 

そして、帰る場所をつくる努力や、自分自身が帰る場所に成ることも、これからの人生には必要なのだと。

 

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4年に一度のペースで続いているF中学の大同窓会。

 

次はブラジルのリオでの2016年8月のオリンピックの時らしい。

 

小川君ありがとう。

 

妻に頼んで、2年後の夏は、久しぶりに故郷・大分に戻る貯金を始める、という具体的な目標を、君は芽生えさせてくれたよ。end 又は continue

 

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