※既読の方も居られることと思います。
〈 おとなの事情 〉により『 森牧師の部屋 ブログ 』にも掲載します。
同時に、ブログNo.76に、最新の2号をUPいたします。
~わっかない教会~ こんぶ通信 NO.1
2013年5月 創刊号
日本キリスト教団 稚内教会 こんぶ委員会
〒 097-0004 北海道稚内市緑 4-5-32
牧師 : 森 言一郎
『 こんにちは! 利尻昆布バザーの稚内教会です』
利尻昆布バザーを始めるなんて!堅気の教会?である私たち。1年前には、誰も考えもしませんでした。礼拝を大切にし、歌い・祈り・み言葉を聴く。それはこれからも変わりません。でも風が吹いたのです。少し、変わり始めるために。
私たち同じ日本キリスト教団の仲間たちである北海教区や道北地区から、年額で200万円を越える互助を頂くようになりました。年金生活の方々が増え、抗がん剤治療をしている方が5名居る教会。礼拝には10名と少しの方が集います。本当にこのままでいいのだろうか。漠然とですが、みんな何かが不安。
ここに居るよー。おーい、ここに居るよー。これまでも叫んでみたはずです。でも続かない。孤立に慣れた我らの教会。いつしか諦めが良くなりました。
新任牧師はふと思ったのです。「利尻昆布のバザーってどうなんだ」「教会もよろコンブ、町もよろこんぶ」「本物のおいしさを知らない人がまだまだ居るんじゃないのか」。仲間の、とある牧師に、ぽそりポソリと相談したのです。すると「やってみなはれ、それ、ええじゃない」と言ってくれたのでした。N先生ありがとうございます。Thank you so much.
皆で相談、反対なし。とん、とと、とん。ポン、ポン、ポン。すっ、すっ、すー。なぜかstopがかからない。「こういう昆布がありますよ」と漁師さん。「送って下さい、まず私が買うから」と友の声。私たち真に受けて信じます。不思議だと思うところに神働き給う、と。
最北の町に稚内教会はあります。宗谷岬や礼文島、利尻島をご存じの方は多いはず。最盛期には6万近くの人が居たのに今は約3万7千人。それだけなら珍しくはありませぬ。でも隣りが遠いのです。サハリンまでは50㎞足らずなのに。
隣りの教会は3つ。オホーツク海沿いを一直線に進むと200㎞で興部伝道所。内陸にはうねり曲がる天塩川を脇に見つつ170㎞で名寄教会。日本海沿いにオロロン街道を南進すると180㎞で留萌宮園伝道所。長く厳しい雪と氷、そして猛吹雪の冬。鉄道もバスも空路もしばしば閉ざされます。気が付くとalone。
さればこそ、我ら自分たちだけで完結せず、つながって生きていく覚悟を決めました。神が稚内の海に備え給うた利尻昆布を通じて、今こそここに発進です。みなさーん!隣人になりましょう。すべての壁を打ち破り、本物のとなりびとに。続く