日曜日の夕、JRのスーパー宗谷に乗って札幌に向かった。
ガラガラの片道6時間弱。眠くなるまで読書をし、しっかりと日曜日の睡眠不足を補い、新聞を二紙じっくりと読み込んで、さらに、妻がつくってくれたお弁当をゆっくりと味わっても、まだまだ時間が余る。
翌日月曜日午後からの、北海教区のある委員会前の時間を利用して、1年越しの課題であった、“大地主問題解決”のため、腕の良いお医者さま情報を得て、出掛けることにした。
いやはや、おっきな財産があると本当に大変だ。
去年のゴールデンウィーク、痛み炸裂、悶絶苦闘を経験。あまりの痛さに気を失った程だった。
その時はその時で出来る限りの治療を、ご縁があって旭川で受けたのだが、完治しないままここまで過ごしてきた次第。折を見て、経験豊富なお医者さまに診て頂こうと思ってはいたが、ようやく、時がめぐって来た次第である。
わたしには、札幌の土地勘が全くなく、宿泊先の大通りのホテルマンに地図を見せ、「ここから、どうやってこの病院に行きますかぁ?」と尋ねてみた。
「意外に不便な所ですので、地下鉄を使い、そこからはTaxiが便利です」との助言を受けてさっそく出掛けた。
地下鉄から降りてすぐにTaxiを探す。少し年を取って来たからだろうか、例えばTaxiの運転手さんにも、つい声を掛けて話がしたくなってしまう。
「○○クリニックお願いします。・・・・・あのぅ、わたし、稚内から来てるんです。“地主”になると、稚内では専門家がいなくて。旭川でも、ちょっとどうかなぁっていう状態なんですよ」
「あー、わたしら、いろんな病院の前でお客さんをお待ちしているんですが(遠距離バスが発着する)バスセンターまでというお客さんが、すごく多いんですよ。釧路、網走、稚内から札幌の病院においでになっている方がTaxiを利用されるんです」と運転手さん。
「そうですかぁ。利尻島は稚内から近いですけど、利尻にお住まいの方は、飛行機で函館まで飛行機を使って、町からの旅費補助を受けて、函館の病院に行くようですよ」
「そうなんですねぇ」
1000円にも満たない距離しか乗らなかったので、5,6分だったけれど、なーるほど、と考えさせられる時間となった。
お医者さまからは、適切だなと納得できる診断を受けて今後の治療方針が決定。少し安心。ただし、今後の通院等の手間と費用の覚悟も必要だ。
委員会ではこれまた、地方の仲間の先生の言葉を聞いて、がーんと思わされた。
後志の倶知安町にある教会のS牧師がこう言われた。高齢者と教会の話題が出ていた時の事である。
「倶知安町(くっちゃんちょう)には高齢者問題はないんです。みーんな、除雪が出来なくなる前に、倶知安を出て札幌に引っ越しますから」
これが雪国の厳しい現実だ。
でも、その町で、礼拝出席数名でも踏ん張っているS牧師の存在そのものが、わたしにとっては大きな励ましになった会議だった。
そしてまた、こんぶバザーの先輩格にあたる、野菜販売を(例えば今はアスパラ)10年は続けておられる恵庭市の島松伝道所・T牧師のお話にも多くの示唆を受けた。札幌出張、じつに有意義でした。いろいろな出会いとお交わりに感謝。end