稚内教会のホームページには「結婚式のご案内」の欄をつくってから4ヶ月くらい経っただろうか。
もう一年前になるけれど、日本の一番北の教会で結婚式を挙げたいんです、というお問い合わせをくださったCoupleが居られた。東京の方たちだった。
そして、実際お二人だけでお出でになってとても素敵な結婚式をされた。決して、わたしたち教会の力というわけではない。でも、とてもいい結婚式だった。楽しい出会いだった。
準備されたU姉の野の花の飾りがまた素敵で、椅子に飾り付けられたお花であんなに可憐なものは見たことがなかった。ブーケも作ってくださったのも思い出した。
遠くの方のみならずなのだけど、最北の結婚式=稚内教会。というような形でお役に立てるならば、それはとても光栄なことだ。
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ところで、もう1週間以上前になるが、稚内教会のホームページを通じて「結婚式のお問い合わせ」をくださった方が居られた。
概ね、こんな内容だったと思う。
○○在住の○○と申します。
この度、○月○日に日本最北の稚内で結婚式をしたいと思い、インターネットで調べたところ稚内教会を知りご連絡させて頂いた次第でございます。実は私は車椅子の・・・・
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わたしは程なく応答した。
はたして、わたしたちでお力になれるか、不安なことが一点あります。
実は、稚内教会の礼拝堂は2階にあります。エレベーターもついておりません。少し急な階段を、あがっていくことになります。
車椅子をお使いになっているということで、どのように対応できるか、普段、車椅子の方が今の稚内教会は居られないので、予想がつかないことがあります。
わたしが おんぶするあるいは、教会の関係者で、車椅子にのったまま 抱え上げる。などのことで 礼拝堂にお連れできればよいですが、それが○○さんの日頃の生活の中で考えて見て、無理だろう、とお考えになるような状況であると、心苦しいですが、わたしたちではお力になれないということになります。
申し訳ありません。
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結果的には、おだやかにお断りの連絡を頂いたのだった。
さて、いちばん大きな問いかけは、結婚式の問題云々ではない。
日頃教会においでになっている方たちすら、2階に礼拝堂があることで実はすでに高いハードルがあるのだと思う。エレベーターかそれに変わるものがなければ、礼拝を同じ空間でご一緒することは難しいということである。
だれにも開かれた教会であること。誰もが安心できる教会であるためには・・・・。それを願いつつも、簡単にはそれが出来ないことは大きな宿題であることを知らされる問い合わせとなった。
かつて、簡易エレベーターを現在の稚内教会に作るとしたら、という検討・調査がなされたという話を聞いたこともある。
そうそう。
わたしの敬愛する、豊富の父さんこと・池尻さんのお宅には、北海道で最初にご自身で設置されたという、日立製作所製のホームエレベーターがあったじゃないか。
やろうと思えばきっと出来ることなのだ。
お金の問題なのか。信仰の問題なのか。
自分が車椅子に乗るようになることだって十分に考えられることだろう。そうでなくても、だんだんと体力が弱っていく方たちが多くなってきているのが、稚内教会のみならず今の日本のキリスト教会の現実なのだから。
小さな出会いをたいせつに。それを心に留めていたはずなのに。神さまは私に、そして教会に、心構えをお尋ねになっているのだ。
いつもながら遅ればせなのだが、ようやく、いま気が付いた。end