稚内から一番近い外国。それはロシアのサハリンである。宗谷岬の僅か40数㎞の距離にあるのがサハリンなのだ。『スーパー大辞林』によるとサハリンについて、こう記している。以下抜粋。
【サハリン】
ロシア連邦,北海道の北方に連なる南北に長い島。シベリア大陸とは間宮海峡で隔てられる。面積7万6千平方キロメートル。1809年,間宮林蔵が探検して,初めて島であることを確認。以後,日露両国人が雑居したが,75年樺太・千島交換条約で全島ロシア領になった。日露戦争後の1905年から北緯50度以南を日本が領有したが,第二次大戦後,ヤルタ協定でソ連領(のちロシア連邦)となる。石炭・石油・パルプなどを産出。樺太。サガレン。古称,北蝦夷
(きたえぞ)。(引用終わり)
稚内に暮らし始めるまでは“サハリン”について考えることもなかった。もちろんんロシアはまことに遠い国だった。
かつて、新潟に暮らして居た時に、結婚式を教会でお引き受けしたカップルが、かつてのサンクトペテルブルク(旧:レニングラード)に新婚旅行に行くと言われていたのが身近に話を聴いた最後ではなかったかと思う。
おっと、もう一つ「ボリショイサーカス」がある。これも新潟に居たときに全国公演が巡ってきて、妻と二人で観に行ったのを思い出す。「ボリショイサーカス」を調べて見ると、ロシアでの名称はロシア連邦サーカス公団というもので、ロシア連邦文化省に所属する組織だという。あの時間も楽しかったことを思う。
2月に入ってから、稚内市内の観光施設でもある「副港市場」という施設の中に、稚内サハリン館という名の舞台が臨時に設営され、選りすぐりのプロフェッショナルのメンバー8名(「ルースキー・テーレム」という名前のアンサンブルのようです)によるロシアの歌とダンスが披露されている。初めて見て、初めて聴く楽器も美しいし、民族衣装が本当にきれいなのだ。
2/17(日)の夜、ある方の声掛けもあって、前から気にはなっていたが、ぜひということで妻と出かけた。日曜日の緊張から解き放たれるひとときだった。17時からの公演(18時からも別プログラムで有)に出かけたが、席は始まる頃にはほぼ満席。無料で見せて頂き、聴かせていただいて良いのかという位の充実した公演だった。歌も楽器も踊りも新鮮だ。わたし的には、チケット少なくとも2千円分位はあると感じる。
稚内の地元新聞を読んでいると、少々乱暴なと思うようなトラブルが起こったときに「ロシアからの・・・」という記事が目に入ってしまい、ほんの断片的な情報であれこれと勝手に考え、決めつけてしまいそうになることがあったのだ。申し訳ないことです。ゴメンナサイ。
公演が終わって外に一歩出てみると、何か、ロシアの方たちが急に身近になるから不思議なものだと思う。
今の世界の情勢で、中国にせよ韓国や北朝鮮にしても、頭を抱えてしまいそうになることが起こっているけれども、なるほど、文化交流というものには、秘められた力があるものだと改めて知らされた感がある。
公演の最後には、踊りと歌を披露して下さった方たちがステージから降りて来られて、幾人かの観客を舞台に上げられた。わたしも美しいロシア美人に手を取られるままに、“ロシアからの愛を込められた笑顔”につられて、手を挙げ、足を鳴らしていたのだった。
リフレッシュする最高の夜となった。稚内にもしお出での方が居られたら、2月のこの公演、見逃してはもったいない。ほんとにそう思います。商工会議所や関連の方々の努力に頭が下がります。ありがとうございました。end
※調子に乗って舞台で踊っている写真、気ままフォトにupしております。